テンの頭蓋骨を高精細CTで可視化
10月 05, 2023 | Gina Naujokat
Comet Yxlon FF35 CT検査システムと高度なVista機能を活用すれば、必要な分解能を選ぶだけで、簡単かつ迅速にスキャン設定が行えます。貴重な時間を節約しながら、高品質なスキャン結果を取得できます。その仕組みをぜひご覧ください。
必要な分解能を選ぶだけ。
スピーディかつシンプルに設定できます。
すべては、チリ大学からの問い合わせから始まりました。高度なX線技術、とりわけ高分解能CT検査システムと高度なソフトウェア機能が、生物学研究にどのように活用できるのかを知りたいというものでした。
そこで、同大学のコレクションにあるテンの頭蓋骨をサンプルとして、当社アプリケーションスペシャリストがデモンストレーションを実施。Comet Yxlon FF35 CT システム上で、Vista ソフトウェアパッケージの QuickScan 機能を使用し、まずは3次元の全体像を取得しました。
QuickScan モードでは、サンプルを連続的に回転させながらあらゆる角度からX線画像を取得するコーンビームスキャンを行います。サンプルを一時停止させながら撮影する QualityScan モードと比べて大幅な時間短縮が可能でありながら、その後の解析に十分な分解能を確保できます。
また、直感的に操作できる Geminy ユーザーインターフェースにより、使用するプログラムは対応するアイコンをクリックするだけで選択できます。これにより、CT検査の経験レベルにかかわらず、誰でも簡単かつ迅速に操作することができます。
概要スキャン条件
225 kV マイクロフォーカス管
ダイレクトビーム
コーンビーム
QuickScan モード (連続回転)
ボクセルサイズ:30 µm
スキャン時間:11分8秒
テン頭蓋骨の QuickScan による概要
再構成された頭蓋骨の 3D ボリュームデータは、任意の位置で断面を切り出すことができ、抽出したスライスを 2D 画像として表示することも可能です。
下顎骨が頭蓋骨に固定されていなかったため、この機会に別途、詳細スキャンも実施しました。このスキャンでは、Vistaパッケージに搭載された2つの新機能を活用しています。
まず、SmartGuard を使用して下顎骨の形状を正確に定義しました。SmartGuard は信頼性の高い衝突防止機能を備えており、検査対象物を最適な位置に配置することで、最大のスキャン分解能と倍率を実現します。
さらに、VistaX パッケージの ZoomScan と組み合わせることで、システムが下顎骨の形状に沿って動作し、常に試料との距離を最小限に保ちながらスキャンを実行します。これにより、対象全体にわたって最大限の分解能を確保することが可能になります。
また、平坦な試料の検査では、VistaX の SpeedMode が特に効果を発揮します。平らな面は取得できる情報量が比較的少ないため、角度のついた部分や厚みのある領域ほど多くの撮影を必要としません。SpeedMode ではスキャンステップを最適化できるため、最高レベルの分解能を維持したまま、検査プロセス全体を効率的に高速化できます。
テンの下顎骨の詳細スキャン
190 kV ナノフォーカス管
トランスミッションビーム
コーンビーム
VistaX ZoomScan
Vista SpeedMode
ボクセルサイズ:5.34 µm
スキャン時間:22分14秒
VistaX ZoomScan と SpeedMode によるテン下顎骨の高解像度スキャン
そのスキャン結果は非常に優れたものでした。
テン下顎骨の詳細
比較画像から、ディテールの分解能が向上していることが確認できます。
上:ZoomScanで取得したボリュームの断面画像
下:QuickScanによる頭蓋骨概要スキャンとの比較
Dragonfly AI
セグメンテーションの課題
このスキャンデモンストレーションの後はいよいよセグメンテーションの段階です。しかし、スキャン結果は均質すぎて、細かい骨構造の識別にはまだ不十分でした。解像度は6 µm以下と非常に高精細ですが、それでも詳細解析に必要な頭蓋骨の微細構造は区別できません。
ここでX線の基本に立ち返ると、さまざまな組織の密度は非常に近く、画像上のグレースケール値もほとんど変わりません。
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従来の8ビット検出器では、最大で 265階調 のグレースケールしか表示できません。
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今回使用した最新の16ビット検出器では、最大で 65,535階調 を表現可能です。
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人間の目が識別できるグレースケールは 60~80階調 程度です。
つまり、人間の目だけでは、これほど近い閾値を見分けることは不可能です。
しかし、人工知能なら可能です。
当社のDragonflyソフトウェアに精通した熟練チームが、ディープラーニングモデルに学習させることで、見事な結果を得ることができました。
ステップ学習で、人の目では見えないものを発見
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